過敏性腸症候群(IBS)の治し方とは?

こんにちは。ウチカラクリニック健康メディア「予防医学大辞典」です。

今回は「過敏性腸症候群(IBS)」について、IBSの治し方・チェック方法・について医師の視点から、根拠のある情報に基づいて簡単に、わかりやすく解説していきます。

【導入】

こんにちは、内科医おたふくの日本の健康管理室のお時間です。

今回は『過敏性腸症候群の正しい治し方』という内容でお話をしていきます。

本当に辛いこの病気の治療法を全てまとめたので、この動画を見れば過敏性腸症候群を乗り越えるきっかけになると思います。

この動画では

・過敏性腸症候群ってなんなのか

・最も有効な治療法とは?

・お薬って効果あるの?

ていった内容をお伝えしていきます。

それでは参りましょう。

【IBS】

まずは過敏性腸症候群がどんな病気なのかについてお話していきます。

過敏性腸症候群は英語での略称をとって通称IBSと呼ぶので、ここからはIBSと呼んでいきますね。

IBSとは、簡単に言えば様々な検査を行っても何にも異常が見つからないにも関わらず、腸の症状がずーっと続いてしまう病気です。

種類としては下痢が止まらない下痢型や、便秘が治らない便秘型、また便秘と下痢を繰り返す混合型、おならが全然止まらないガス型なんてのもあります。

IBSは本当にしんどい病気です。

例えば仕事中大事な場面でおならが止まらなかったり、好きな子とデートに行った時にトイレに何回も行って愛想つかされちゃう、なんて人もいて、そういった経験がトラウマになって外に出られなくなってしまうケースもあるんです。

腸の話なので体の病気って思われがちなんですけど、実はIBSはストレスなどが原因の大部分を占めていて、メンタルが原因となっている事が多いんですよね。

メンタルが原因なので、緊張している場面や重要な会議なんかで症状が強くなるのでめちゃくちゃ厄介なんですよ。

ここでちょっと休憩で、

非常に面白いデータがあるので紹介しておきます。

日本人の2万人にIBSに関するアンケートをとった所、IBSの患者さんってIBSじゃない人と比べて、統計的にみて社会的地位や年収が高かったそうなんです。

これっておそらく役職や年収が高い人の方がストレス負荷が大きいって事を暗に示していると思うんですね。

またアメリカの研究では、質の高い教育を受けている人の方がIBSになりやすいというデータも出ています。

これもきっと、頭の良し悪しっていうよりは教育熱心な環境にいる人の方がストレスが大きいという事なのでしょうね…

要は、社会的に良い環境にいると思われている人程、ストレスを感じやすい環境にあるという事が推察されるんです。

なんだか幸せって何なのか考えさせられてしまいますね…

ちょっと話が逸れたんですけど、IBSがめっちゃ大変な病気ってのはわかってもらえたでしょうか。

そして医者の裏話をすると、IBSは腸の病気なので腸の専門科が診察する事が多いんですけど、検査しても異常が何もないので、これは心の問題とか、気持ちの問題とかって片づけてしまってあんまり熱心に対応してくれない先生もいます。

一部のお医者さんって、嘘みたいで本当の話なんですけど具体的な異常がないと興味を失ってしまう人がいるんですよ。本当に良くない事だと思います。

IBSはめっちゃ辛い病気なので、絶対に患者さんに寄り添って体の治療と心の治療の両方をしっかり行っていく必要があります。

ではその具体的な治療に関してお話していきたいと思います。

【IBS 食事運動睡眠】

まずIBSに関連する最も重要な3要素ってのがあるので紹介しておきます。

それは食事・運動・睡眠、要するに日常生活が大きくIBSに影響してくるんですね。

ここで京都の女子学生700人にとった調査データを紹介します。

そのデータでは、IBSの人の方がそうでない人と比べて、

・野菜や魚をとらずにインスタントのご飯を食べがちだったり、

・運動習慣が全然なかったり

・睡眠時間が少なかったりしたんです。

この事からも生活習慣とIBSの関連性がみえてきますよね。

IBSの人はまずきちんとした生活習慣をつける事が重要です。しっかり運動して睡眠時間をとる事から始めましょう。

食事に関しては、炭水化物とか脂肪分が多い食事をとったり、アルコールとか辛い物、コーヒーをとったりするとIBSが悪くなるって言われています。

逆に食べて欲しい食べ物が一つあって、それが『食物繊維』の入った食べ物ですね。大体一日30gくらい食物繊維をとるとIBSに効果的って言われてます。

ここで食事に関してワンポイントアドバイスです。

食物繊維ってIBSに非常におススメなんですけど、食物繊維には2種類あって、水に溶けにくい不溶性繊維と、溶けやすい水溶性繊維ってのがあります。

おまめ、おいも、とうもろこしなんかは、食物繊維が入ってはいるんですけど不溶性繊維、要するに溶けにくい繊維になるので腸に負担がかかっちゃうのでおススメしません。

おススメは水に溶けやすい繊維のはいった食べ物で、例えばそばやわかめなんかですね。

このあたりを食べる習慣がつくと効果的だと思います。

【薬】

また医者の立場からIBSの薬に関してもお話しておきます。

IBSの薬って腸の薬もメンタルの薬も色々あるんです。

薬って本当に効くの?って話なんですけど、

IBSにめっちゃ効いた!ってデータがある薬はまだなくって研究中なのでエビデンス的ははっきり効くとはいえないってのが正直な所です。

ただ困っている患者さんに、腸やメンタルの薬を試してもらう事があるんですけど、その限りでは結構効く事もあるので、症状が辛い時に薬に頼るのは悪い選択ではないと思いますよ。

その中でも一つおススメの薬があるので紹介しておきます。

それが『プロバイオティックス』ってやつです。

なんか難しい名前でよくわからないし、ちょっと怪しく思われる人もいるかもしれないので簡単に薬の原理を説明しておきます。

人間の腸の中には腸内細菌っていう菌が住み着いています。こいつらは菌って名前ではあるんですけどめっちゃ良い奴らで、腸の中の環境を整えてくれてるんです。

そしてIBSの人はこの腸内細菌たちが炎症のせいであまり活動できていないとか数が少ないって説があるんですね。

そこでこのプロバイオティックスって薬を飲んであげると、その良い菌を投与してあげて腸の中の環境を良くしてあげたり、数を増やしてあげる、ってお薬なんです。

まだ研究過程ではあるんですがお値段も安いし、副作用はほとんどないので飲んでみる価値がある薬だなと思ってます。

以上がIBSのからだの問題を解決するためのお話になります。

こころの問題に関しては別の動画で熱く語っているので是非みてくださいね。

【終わり】

それでは最後に動画の内容をまとめて終わりにしようと思います。

・IBSの治療の基本は食事・睡眠・運動=要するに生活習慣の改善です。そばやわかめなどの食物繊維をしっかりとってしっかり運動して寝ましょう。

・IBSは腸の調子を整える薬や、気持ちの面を整える薬などあります。確定的なデータは出ていませんがお薬に頼ってみるのも悪い選択ではありません。中でもプロバイオティックスって薬はおススメです。

このチャンネルでは今後も皆さんの健康やQOLの改善の為に、医者の見地から正しく、有益な医療知識を発信していきます。

もしためになると思って頂けたら、チャンネル登録を是非宜しくお願いします。

それではまたの受診をお待ちしております。

【導入】

こんにちは、内科医おたふくの日本の健康管理室のお時間です。

今回は医者の立場から、過敏性腸症候群、通称IBSで苦しんでいる人へのアドバイスを2つだけ送ろうと思います。

辛い辛いIBSで悩んでいる人は少しだけ時間をもらえると嬉しいです。

IBSはめちゃくちゃしんどい病気なんですけど、周りの人に理解してもらえないし、なかなか言い出す事もできないで、一人で抱え込んで悩んでる人って絶対いますよね。

そんな人達に医者としての知識を踏まえて、自分なりの生き方のアドバイスを送ろうと思います。

IBSは体の問題と心の問題が共存している病気ですが、根っこの部分は体を支えているメンタルの部分が大きいんですね。

考え方、捉え方次第で少し楽になる部分もあるとおもうので、医者としてIBSについて思う事をお話していこうと思います。

それでは参りましょう。

【IBS① あなたは普通】

IBSの人に伝えたいメッセージ一つ目はあなたは別に普通ですよって事です。

IBSの人って、おならとか下痢が学校や職場で頻回に出る事があるので、周りから白い目で見られてるんじゃないか、馬鹿にされてるんじゃないか…って思っちゃう事があります。

そういうトラウマからうつ病になってしまうケースもあるんですね。

そんなIBSの人にどうしても伝えておきたい事があります。

それは『あなたは何一つおかしな事はない、普通の人間である』という事です。

ではここで一つ質問です。

IBSの人って、今の日本にどれくらいいると思いますか?

全体の10-15%、10人に1人がIBSって言われているんです。

10人に1人って普通ですよね?逆を返せば、悩んでいる人は日本全国にめっちゃいっぱいいるって事です。

10人に1人がIBSなら私の周りにももっといるはずだ!って思うかもしれませんが、IBSだけど自分で告白してない人がいっぱいいるんです。

現にあなたは周りに自分がIBSだって言ってますか?言ってない人も結構いると思うんですよね。

勿論ムリにカミングアウトする必要は全然ありませんが、自分がそんな特殊な人間だなんて思わないでほしいんです。まずあなたは普通なんだよって事をわかって欲しいです。

それでも、症状が続くて他の人はなってないのに私だけ腸が弱い…とか私はストレスに弱い人間だ…って病んじゃう人もいるんですけど、全然違います。結論からいうとたまたまです。

医学的な話を少しすると、ストレスを受けた時の人の表現の仕方って色々なんですよ。汗がでたり、心臓がどきどきしたり、足が震えたり..

あなたがストレスに弱いわけではなくって、たまたまあなたがストレスを受けた時の表現の仕方が腸の症状に出やすいっていうだけの話です。ただの個性なので何も気にする必要はありません。病気なんだって思う必要もありません。

それでも、お医者さんだからIBSの事わかってるからそうやって言えるけど、実際何回もトイレに行ってるのは事実だし、絶対周りの人には噂されてる…って思ったりするかもしれませんね。

でも普通に考えてみて下さい。何回もトイレに行ってるから何が悪いんですか?生理現象だからしょうがないで済む単純な話だと思うんです。

もしそれで何か嫌な事を言われたり、思われたりしたって、その人になんの迷惑もかけてないんだから、それは悪口を言う方の人格に100%問題があるだけです。

あなたは何も悪い事をやってない、普通の人間なんだから堂々としていればいいんです。

もし万が一迷惑をかけるような事があったって、あなたが悪いんじゃなくてIBSなんだからあなたが自分を責める必要なんてないんです。

なんなら、これは少しハードルが高いかもしれませんが、私実はIBSってやつになっちゃってさあ~と周りに話たって良いかもしれませんよ。

何も悪い事はしてないんだから開き直っちゃっていいんです。

自分が普通なんだって事をちゃんと覚えておいてくださいね。

【IBSメッセージ② 過度に不安にならなくても大丈夫 】

IBSの人に伝えたいメッセージ2つめは、過度に不安にならなくでも大丈夫って事です。

IBSの人は医学用語で『破局視』って状態になりやすいと言われています。

破局視ってのは、根拠がないのに先の事を否定的に考えちゃう事なんです。

例えば、IBSの症状で全然便が出なかったり、下痢が止まらなかったりすると、

私はがんなんじゃないか、私は死んでしまうんじゃないかって思っちゃう状態に陥ってしまう事があるんですね。

ストレスで腸の症状がおさまらなくなってる中で、自分は何か悪い病気なんじゃないかと気になってきて、さらなるストレスを感じるという負のスパイラルに陥ります。

でもそんなに不安にならないで下さい。医者として言わせて頂くと、IBSで死ぬ事はほぼ100%ありません。

破局視って状態になってしまうのもIBSのせいで、あなたは1%も悪くありません。

IBSは命に関わる病気ではないって事はしっかり覚えておいて下さい。

IBSはめちゃくちゃ辛いです。ただ、辛さ【だけ】の病気なんです。あなたの未来を奪ってしまうような病気ではないし、治らない病気でもないです。

現に研究で、8週間認知行動療法っていうカウンセリングの治療を行う事でで66%の人のIBSが良くなったって報告もありますし、若い人だったら大人になっていくにつれて自然と改善していく場合もあります。

だからそんなに気にしすぎないで下さい。困ったら病院に来て下さい。

カウンセリングを受ける事もできますし、腸を落ち着ける薬や、心を落ち着ける薬も用意してあります。

一人で抱え込んで不安になる事だけは絶対にしないで、困ったら身近な人でも、病院の人でも誰でも良いので相談してくださいね。

【終わり】

最後に今回の動画の内容をまとめて終わりにしようと思います。

✓IBSは10人に1人がなる病気で、簡単に言えばストレスを受けた時の症状がたまたま腸に出てしまうってだけなんです。勿論症状は辛いですが、IBSである事は過剰に気にする必要は全くないです。

✓IBSのせいでネガティブ思考に陥ってしまう事があります。でもIBSは全く命に関わる病気ですし、あなたが今ネガティブになっているとしてもそれは100%IBSのせいであなたは何も悪くありません。

要するに周囲の目に関する不安と、未来への不安、この二つの不安については全然気にしなくて大丈夫ですから、堂々としていてください。

でも勿論それでもつらいのに変わりはないと思うので、困ったら一人で抱え込まず、すぐに相談するようにして下さいね。

この動画がIBSに困っている人の助けに少しでもなれたらいいなと思います。

また悩んでいる事や、IBSを克服した体験談なんかがあれば是非コメントをもらえると嬉しいです。

IBSの治療法の解説は別の動画でお話してあるので、良かったらそちらも参考にしてみて下さいね。

このチャンネルでは今後も皆さんの健康やQOLの改善の為に、医者の見地から正しく、有益な医療知識を発信していきます。

もしためになると思って頂けたら、チャンネル登録を是非宜しくお願いします。

それではまたの受診をお待ちしております。

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